平成15年1月20日号
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(H15.11.5大阪大会テーマ)
大阪大会の成功期す
 大阪府鮓商生衛組合理事長 半田和正
新年あけましておめでとうございます。
2003年の新しい年を、皆様ご健勝でお迎えになられたことと心よりお慶び申し上げます。
昨年は食品の偽装表示等で、食品の安全が問われ、食品に対する信頼度が大きく揺らいだ年でありました。 そして有名企業が信用を失うといった事態になりました。
どうか2003年こそは、皆が笑顔で暮らせる1年であってほしい、何とか歯止めがかかり、景気回復につながることを期待するものであります。
本年は、いよいよ全国すし連の大阪大会が、本年11月5日(水)に中之島の大阪国際会議場で開催されます。 大阪鮓組合の声価が問われる事業であります。
この成功に向けて各役員さん、そして組合員皆様のご協力、ご支援を是非ともよろしくお願いいたします。 大阪の全国大会は良かったといわれ、恥ずかしくないよう頑張りたいと思っています。
終わりに組合員皆様のご発展、ご健勝、そして組合の一層の充実を併せご祈念申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。
産業、都市、府政を再生
 大阪府知事 太田 房江
新年あけましておめでとうございます。
2003年は「鉄腕アトム」の誕生の年です。手塚治虫さんさんは、「幼いころから生命の大切さを教え、生き物をいたわる心をもつための教育を徹底すれば、子どもたちをめぐる事態は解消していくだろうと信じます」と述べられています。私は今年を、あらためて「いのち」の大切さ、環境の大切さを一人ひとりが考え、行動する年にしていきたいと思います。
特に今年は「雇用を生み出す」「子どもを育てる」ことに重点的に取り組みます。
「雇用」については、「12万人緊急雇用創出プラン(案)」の中で、府政のあらゆる分野で雇用を生み出せるような事業を展開する「LIVE WORK(ライブワーク)事業」を構築して、就労機会を生み出す民間の取り組みの支援や、呼び水となるようなインパクトある施策を実施します。
子育て、教育は「未来への最大の投資」です。明るい未来を切り拓く(「心優しく力強い」アトムのような)子どもたちを育てていくために、家庭や地域、学校が三位一体となって毎日取り組もうという、いわば「大阪教育7日制」ともいうべき施策を展開します。
私は大阪の再生が、関西の再生、ひいては日本の再生につながっていくものと確信しています。今年も大阪再生のために「産業」「都市」「府政」の再生に持てる力の全てを注いでまいります。
最後になりましたが、今後とも府政の推進に対して、皆様方のより一層のご理解、ご協力をお願いいたしますとともに、今年が皆様方にとりまして、すばらしい年になりますよう心からお祈りいたします。
「大阪大会」の成功へ決意あらた 新年初理事会で各役員が抱負
 「実行あるのみ」半田理事長 役員らに協力求める
今年11月5日(火)の全すし連「大阪大会」まで、あと290日。組合は1月16日午後、正副理事長会のあと平成15年初理事会を開催、半田理事長は「参加して良かったと言われるような、大阪として恥ずかしくない大会にしたい。これまで下準備をしてきたが、2月からは実行あるのみ」と述べ、各役員も新年の抱負で「大会の成功へ一丸となって頑張る」旨の決意が述べられた。
理事会は大開副理事長が議長に就いて進行された。開会の挨拶で半田理事長は、「厳しい時代が続くが、各店の自助努力により2003年が笑顔で過ごせる1年でありたい」と新年の挨拶。
大会成功へ一丸となって
 大阪鮓商組合商友会会長 アサヒビール大阪支社長 石井敏史
新年あけましておめでとうございます。平素は商友会に対しまして格別のご支援、お引き立てを賜り、誠にありがたく厚く御礼申し上げます。
昨年を振り返りますと、日本経済は依然として厳しい状況が続いています。昨年5月の政府による景気底入れ宣言、GDPの3期連続プラス成長と回復途上にあるものの、個人消費や設備投資の動きは弱々しく、実感に乏しいものとなっています。
個人消費の動きは、7〜9月のGDP統計では実質0.8%増となりましたが、引き続き雇用・所得環境は改善されず、横這いが続きそうです。
飲食業界におきましては、BSE問題や食肉表示詐称等が社会問題に発展し、「食」に対する安全性が厳しく問われた年でもありました。
このような中で、企業が成長と収益性を確保するためには、お客様が価値を納得するような商品・サービス・安心感を提供していくことが不可欠です。加えて創造力・提案力が勝ち残りのカギとして、ますます重要になってくるでしょう。
さて、本年は第46回全国すし連大阪大会が11月に開催されます。33年ぶりの大阪大会であり、私ども商友会といたしましても大会の成功に向け、一丸となってバックアップさせていただきたいと思います。
新年を迎え、業界の皆々様のご多幸とますますのご発展をお祈り申し上げますとともに、併せて商友会会員商社に対しまして倍旧のご支援、お引き立てを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
すし業復興のルネッサンス
 全国すし商生衛連合会会長 東京都鮨商生衛組合理事長 森茂雄
平成15年の新年を迎え謹んでご祝辞を申し上げます。
このところ、先の見えぬ金融不安、回復を待ち望みながらもなかなか果たせぬ低迷を続けている景気、加えて混沌の世相、これらを引きずったまま21世紀も3年目に入りましたが、皆様にはご健勝でご家族とともに正月のお祝い膳につかれたことと存じます。
私たちは5年前、「21世紀に向けたすし業のビジョン」の策定をいたしました。本年度の総会においては、 このビジョンを視野に入れて、14世紀の芸術復興のルネッサンスになぞらえ「すし業復興のルネッサンス」の推進を図るため、そのプロジェクトを設けました。
これは、組合事業の抜本的な精査検討、ならびに組合員の意識改革を目指してのルネッサンスビジョンを、各ブロック会を通じて組合員に浸透し、すし業の活性化を進めたいと思います。
また、継続事業としての「すし券」もすでに80億円台を突破し、利便性が買われたこの事業は、さらにその伸びが期待されるところであります。
このほか当面する一大事業として、「第7回全国すし技術コンクール」を今年2月18日、新宿京王プラザホテルにおいて、全国より選抜された選手150余名によってその技を競います。すしの新しい方向を示唆する期待のできる事業と自負しております。
さらに、全すし連大会が昨年の埼玉組合に次いで11月5日、大阪組合の主管による大会が予定され、その準備もすでに始まっております。
私たち組合幹部も各種組合事業の展開を通じて頑張ります。皆様も時代に流されぬよう、なお一層の自己努力を希望してやみません。
皆様の前途に必ず佳い日、佳い年が訪れることを祈念いたしまして新年のご挨拶といたします。
大阪から15人出場 2月18日、新宿京王プラザホテル
 全国すし技術コンクール
「全国すし技術コンクール大会」が2月18日(火)、東京・新宿京王プラザホテルの5階、コンコールドホールで開催される。4年に1度、日本一のすし技術の腕を競うもので、数えて7回目。
今回、コンクールに出場する選手は、「笹きり競技」25人、「巻きずし競技」38人、「にぎりずし競技」39人、「関西ずし競技」24人、合計126人。いずれも各ブロック予選を勝ち抜いた精鋭で、今回は米国ワシントン支部からも参加の予定。
にぎりずしと関西ずし競技の優勝者には内閣総理大臣賞、笹きりと巻きずし競技の優勝者には厚生労働大臣賞または農林水産大臣賞、その他の入賞者には全すし連会長賞が贈られる。
近畿ブロックからは、昨年11月に近江八幡市で開いたコンクールで、各部門の上位にランクされた約35人が出場。「関西ずし競技」は全員が近畿からの出場。大阪からは巻きずし、にぎりずし、関西ずしの3部門に約15人が出場する予定で、大会での健闘が大いに期待されている。

松岡技術委員長のアドバイス
「仕事ぶりや仕上がりについては、日頃の練習でかなり身についているが、意外と軽視されているのが衛生観念。特に服装が清潔な白衣・帽子・前掛け・ズボンを着用しているか、履物は白いスニーカーか白い靴、頭髪や髭の手入れに注意してほしい。また、時間内に仕事を終え、クズの処理、すし飯や残り材料の処理、布巾の処理など余裕を持って後片付けができるように」
西区京町堀で88年「みやこ」
 三宅一夫さん

昔ながらの店頭で三宅一夫さん。大阪ずし、蒸しずしの墨文字も懐かしい
大阪市西区京町堀1丁目、四ツ橋筋から西へ少し入った辻の角。古くから開けたビジネス街であり、最近は隣接する靱公園周辺に多国籍料理店、カフェバー、衣類や雑貨のお洒落な店が点在する若者の人気スポット。
そんな町にタイムスリップしたようなレトロな2階建て木造建築、回りには植木や鉢植えされた緑が建物を覆う。小さな「すし」の看板がなければ、しもたやとしか見えない。「みやこ」の店名は、さらに奥まったところにしか出ていない。
同店は大正4年(1915年)、先代の三宅儀一さんが創業した。当時の旧大阪市内(東西南北の各区)は、堀が縦横の目に築かれ、日本各地から物資が船で運ばれ、この地に集積され、商いされ、再び全国に出荷された。『船場』の名の由来である。
今の時期、同店の一番の人気は『蒸しずし』。毎年11月から翌年3月中頃までの期間限定メニュー。三宅さんのよると、 「昔は旧大阪市内のすし屋はどこでもやってました」と言う。
蒸しずしの具のメーンは焼き穴子、そこに炊いた竹の子や椎茸、木耳などをまぶしてから蒸す。約10分後に蒸し上がり、 上に錦糸玉子などを乗せて供する。ほくほくとしたおいしさ、色合いや歯ごたえも備えたある伝統の味だ。
すしについてはもちろん、大阪の町のことなど、とにかく博学だ。すし組合についても昭和25年に理事になってから、 終始経理を担当してきただけに、組合の裏の表も知り尽くしている。平成5年から経理委員長。
極めて元気な82歳、奥さんの康子さんと二人、大阪ずしを中心とした店でマイペースで頑張っている。
大阪鮓考 <3>江戸時代以降
 箱ずしの原形が誕生 棒ずし、姿ずしも各地で
魚や獣肉を米とともに1年、2年と漬け込み、発酵させ、ドロドロになった米は捨てて食べた『なれずし(ほんなれ)』は、時代のテンポが早まるとともに衰退した。そのあと製造期間が数ヶ月ですみ、魚と米を一緒に食べる『なまなれ』になり、さらに酢の出現によって、数日で食べられる『早ずし』へと移る。
すしの歴史をたどる上で、どうしてもお世話にならざるをえないのが故・篠田統先生。 20年間にわたり全国を回り、すしに関する情報を収集し、分析した。
65歳で退官されたが、およそ大学教授らしからぬお姿と語り口は、すしが大好きな市井の研究家として、今も強く印象に残る。
古来の製法が奇跡的に残る滋賀県の鮒ずし(なれずし)はじめ、和歌山県のさんまずし、奈良県吉野の鮎ずし(なまなれ)など、そして酢の誕生によって『早ずし』が生まれ、棒ずしや姿ずしが考案された。
そして一方では、大阪鮓の原型となる「こけらずし」、その後の「箱ずし」が誕生する。「こけら」とは、箱の上に並べた魚や貝の形が、屋根のこけら葺きに似ているところからついた。最初の頃は、店売りではなく、肩に桶を担いで売り歩く、行商ばかりだったという。