新鮮・採れたて情報 2016.11

頑張ってます 阿倍野支部 すし・割烹やま

山口さん兄弟が力合わせ46年

地下鉄・御堂筋線「西田辺」駅から西へすぐ、近畿大阪銀行向かい。山口清成さん(78歳)、保隆さん(66歳)兄弟が待っていてくれた。
清成さんは大阪市内で生まれたが、戦時中に家族と共に奈良県桜井市へ疎開し、中学校を卒業。終戦後、板前をめざして修業をはじめ、「ざこば鮨」(増田文之進氏、後に芳一氏=組合副理事長)で11年、北新地「魚徳」で1年働き、すしと沖の料理を習得した。

万博景気に沸く昭和45年4月1日、黒門市場の魚屋で働き、調理師学校を卒業した保隆さんと一緒に西田辺で小さなすし店「山鮨」を開業。その後、現在地に移転して「すし・割烹やま」を開店。生野区北巽に「すし・炉ばた やま」を開いたが、過労に倒れ6年で閉店した。12年前、レジのPOSシステムを導入し「やまメンバーズ会員」を採用、お客の払った料金の3%をポイント加算、誕生月にはポイントを倍づけし、1,000ポイント貯まると1,000分無料に。
清成さんは「マスター」、保隆さんは「やっちゃん」と呼ばれ親しまれている。「私たちは仕入れ業者、お客との信頼関係を一番大切にしています」。また「楽しい店づくりはスタッフとお客の共同作業」とも。店の雰囲気に合わないお客を断ることもある。
メニューは豊富。季節もの、その日のおすすめがずらり。これからシーズンのフグは泳ぎを使って鍋3,500円、コース7,800円。手間暇かけたすっぽんスープ1,290円も人気。すしはにぎり215円(2貫)から大トロ、ウニは750円(1貫)まで。「おまかせ上にぎりセット」は8貫とトロ鉄火、茶碗蒸しがついて2,990円。「ドラゴンロール」755円、「明太子クリームチーズ」630円などUSロールは若いお客に好評。ウナギの箱ずし860円も人気。同店の値段はすべて税込み価格。
清成さんは子ども3人、孫9人。20代前半の「ざこば鮨」時代、一人前に仕事ができるようになり少し時間に余裕ができた時、通信教育で高卒の資格を取った勉強家で努力家。長男の慶太郎さんは「やま」本店と京都の割烹店で修行した後、米国シカゴのサントリーレストランで働き、約20年前、いち早く宅配弁当店を開業し現在3店、駒川商店街ではだし巻き玉子と唐揚げ専門店を開き盛業中。保隆さんは子ども2人、孫2人。19歳の孫は若くして料理の腕は確かだが、米国に永住しハリウッドで映画俳優をめざす。店を継がないかとの誘いに「料理を作るより成功して食べる側に回る」と。後継者は期待できない。「子どもや孫たちそれぞれ、生き方を強制することはできない。何とかあと10年、2人で頑張っていきたい」と話す。
常時3人とパートさんらで頑張っている。1階はカウンター13席、テーブル3つで12席、2階は30人がゆっくりできる宴会場。

【すし・割烹 やま((有)ぴょいフードビジネス)】
大阪市阿倍野区阪南町5-21-3、
tel.06-6623-4073。営業時間は午後5時〜11時、火曜日定休。

ちょっとブレイク

すしなにわのグルメライターオヤジのけいちゃんが、
大阪の食事情や地域、お店のお話など紹介します。
NEWSすしおおさか すし屋万歳コーナーよりと食の巷間談義・・・

  • 一年中、花火大会の旅行ツアー、夏場からおせち料理の販売、かにもふぐも一年中、旬も何もあったもんじゃない。金持ち番付はビル・ゲイツから孫正義まで、IT関連ばかりで、人間の欲望は楽することと己の楽しむことのみの追及でふくらむ一方。耐え忍ぶ苦労をしなければ人間一人前に成らぬのに。
    あかんで、あかんでと言いながら、誰も何も聞かず、温暖化、水温が上がって台風ばっかり。魚は少ないし、値は上がる。いつまで続く北海道のうにの高値相場。
    愚痴はあまり書きたくないが、地球号という舟は、一直線に暗闇に進んでいる様にしか見えぬ。あかんで!
  • いつからか御縁があって、ずっと北野病院のお世話になっている。ある時、診察室にIPS細胞の山中教授が寄付を依頼しているパンフを見つけた。日本中が応援しているIPS、少しだけ入金した。
    数日後、京大から物々しい礼状が来てびっくり。我々、最底辺で暮らしていても、何か喜んでもらえることが出来た。町会、赤十字、災害いろいろ寄付はするが、何か未来の医療に役立つと思うと違う感慨がいる。日本中、世界中の人々が待っている。もうすぐ完成する。応援しよう。
  • 明石の一つ手前、朝霜の歩道橋に小さな石の像。花火大会の事故で11人が死亡んだ弔いだ。
    小さな子どもが倒れて圧死した。お婆さんが孫を連れて来ていた。ここを通るたびに涙が出る。生きている私たちに何か出来る助けがあれば言ってくれ。私に乗り移ってくれ。一緒に生きよ。
    残念だったろうな、ごめんやで、ごめんやでと言って、しばらく祈る。